カメの甲羅は武器にもなる

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獣害対策の柵がカメを減少させるかもしれない

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大きくなったカメ(特にメス成体)では通れない形状(穴)の柵

 

獣害対策のためか、周囲が厳重な柵で覆われた畑や水田を見る機会が増えてきた。カメたちにとっては良くない傾向だと思う。

 

カメ類は灌漑期の水田を採餌場として利用したり、畑を産卵場所として利用する。そのため、柵によって水田や畑へのアクセスが閉ざされてしまうと、成長が悪くなったり、産卵数が減少してしまう恐れがある。そして、結果的にカメたちが減少してしまうのではないだろうか。と不安に思うことが増えてきた。

 

最近になり、この問題を気にし始めたのだか、その理由は柵によって淡水ガメリクガメ類移動が阻害され、死亡例が数多く見つかるようになったとの報告が国外から増えてきたためである。柵による移動阻害がもたらす直接的な死因としては、過熱捕食轢死柵への絡みつき(挟まったまま抜け出せない)と報告されている。

 

研究例として、以下のものがある。

 

関連論文

影響評価関係

 

改善策関係

 

 

幸いなことに、千葉県では成体のメスでも通れるような形状の柵(たぶん、たまたま)を設置している場所も数多くあった。今後、どのくらいの穴の大きさや形状であれば、カメたちが問題なく通ることが出来るのか、その辺りが分かれば影響を緩和できるかもしれない。

 

とはいえ、そもそも日本のカメたちが柵によって移動を阻害されていたり、それによって数を減らしていることはまだ全く分かっていないのだけどね。

 

この辺りは、最近気になっているトピックでもあるので、時間があるときにでもこつこつとデータを取っていこうかな。

 

ではでは。